1: 野良ハムスター ★ 転載ダメ©2ch.net 2017/08/18(金) 20:25:09.59 ID:CAP_USER9
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■30年目の破壊

1981年にソニーがマビカという今のデジカメの元祖とも言うべき商品の試作品を発表したときの市場の反応も同じだった。将来デジカメの時代が来ると騒がれる一方で、写真の市場はそれからもフィルムを使った銀塩カメラがずっと主流だった。

1990年代に入った頃、大手フィルムメーカーの役員に、「そろそろ危機が迫っているんじゃないですか?」と訊ねてみたが、そのときも答えは「知ってるよ」「あんなのおもちゃだよ」だった。

1995年にカシオがQV-10という初のデジカメのヒット商品を発売した。画素数は25万画素まで増え、パソコンに画像が取り込めるのが特徴だった。

この頃になってようやくトップが危機感を口にするのだが、その意見ですら、「デジカメは発展するだろうが、市場としては高性能のフィルム方式のカメラと、低性能のデジカメが棲み分けることになる」と断言していた。

みなさんもご存知の通り、「棲み分ける」などという話は幻想で、2000年代に入ってカメラはプロ向けも含めすべてデジカメに置き換わった。世界最大のフィルムメーカーだったイーストマンコダックは2012年に連邦破産法を申請した。マビカが発表されてから30年後である。

インターネットが商用化されたのが1990年代初期。この当時、流通が劇的に変わると騒ぎになった。旅行会社や書店、窓口で株を販売する証券会社はいずれなくなり、これからはインターネット企業の時代だと言われた。

2000年にインターネットバブルが起きて、バブルははじけた。

「インターネット企業なんて所詮幻想だよ」と言われたものだが、20年後の2014年になってみると実際にリアルな書店や中小の旅行会社の方が街角から消えていった。やはりインターネットはおもちゃではなく脅威だったのだ。

■イノベーションの技術サイクルは不変

ここでの問題はAIだ。

猫と人間を区別できる学習能力を備えたAIが出現したのが2012年だとすると、20年後の2032年には、おそらく人間よりも賢い「AI上司」が人間から仕事を奪う現実の脅威になっているはずだ。

そしてその5年前、つまり2027年くらいの段階ではまだ人型のAIを人類は「おもちゃだよ」と言って馬鹿にしているだろう。カシオのデジカメがフィルムメーカーの幹部に馬鹿にされたのと同じ現象が起きる。

実際今から5年前、囲碁や将棋のソフトも同じように人類から馬鹿にされていた。
「あんなソフトウェアにプロの棋士が負けるはずがない」と。

仮にソフトが棋士に勝つ日が来ても、それは計算力で勝てるだけで、思考力でAIがプロ棋士に勝つとは誰も思わなかった。技術の進化や学習能力とはそのようなものだ。AIの場合、1年前は幼稚園児並の思考しかできなかったものが1年で人類よりも頭がよいレベルへと変貌する。

イノベーションの技術サイクルは過去、ペニシリンや化学繊維、コンピュータからロボットまですべてにあてはまってきた。20年後、そして5年後というのは、バカにしていたオモチャが化け物に変貌するまでには十分な期間なのである。

■30年後までに50%~90%の仕事が消滅

オックスフォード大学も、マッキンゼーも、多くの科学者と経済学者も、今からそれほど遠くない未来に50%から90%の仕事がAI(人工知能)とロボットに奪われて消滅すると予測している。

人類と同等の能力を持つAIが登場する日のことをシンギュラリティ(技術的特異点)という。

ITの世界には集積回路が指数関数的に能力を上げ、コストが下がっていくという、「ムーアの法則」がある。その法則をより一般化して捉えることで、2005年にフューチャリスト(未来予測の専門家)のレイ・カーツワイルはそのようなシンギュラリティは2045年に訪れるのではないかと予測した。

2016年はAIにとってエポックメイキングな年だった。カーツワイルの予測に向かってAIの進化がひとつのハードルを越えた。AIが「深層学習」(ディープラーニング)の能力を身につけたことで、最も難解な頭脳ゲームと言われている囲碁の世界で人工知能は人類の思考能力を超えたのだ。





>>2につづく)

http://gendai.ismcdn.jp/mwimgs/3/b/640m/img_3bed24ad507dfc84be1777545ef404ca134470.jpg
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52465?page=2

★1:2017/08/18(金) 19:04:54.66
https://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1503050694/